【ぶらあぼONLINE掲載 】【CD】リサイタル:グレース/藤澤仁奈

 待望の2ndアルバムも5年前のデビュー作と同様、J.S.バッハを中心に据えた構成で、今回は「無伴奏パルティータ第2番」を収録。終曲〈シャコンヌ〉の眩しい光に導かれ、確かな足どりで静謐なトンネル内を進んで行くようなイメージに没入できる。委嘱作品は2つ。E.セジョルネによる柔らかなバラードも心地よいが、宮沢賢治にインスパイアされたという山下久幸の「修羅の桜」が鮮烈で、咲き誇る花(第1楽章)と散りゆく花(第2楽章)で憂いを含んだ美を見事に描き出す。世界中で愛奏される村松崇継の作品も必聴。マリンバの打鍵が放つ詩的な響きを堪能できる一枚だ。文:東端哲也
(ぶらあぼ2026年3月号より引用)
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